イタリア美術 1945-1995 見えるものと見えないもの
展覧会を見てまず思うことは、その表現手法の豊かさである。個々の作家が独自の表現を、独自の手法によって成り立たせている。artの世界ではごく当たり前のことなのだろうが、最近の作品に、手法としてのの新規性を感じないことが多かっただけに、逆に新鮮な感じがした。そんなことから、ひょっとすると、今回の展示会のような「現代美術」の形成期(?)に手法は出尽くしてしまっているのではないか、、、と考えたりもした、今という時代は、手法はさておき(つまり、過去の手法を引用するにしても)、表現内容(作家の思い)を重視している作品が多いのかもしれない。
ただ、「art」がもともと、「technology 」という意味を持っていたり(ギリシア時代に、現在の「art」に相当する言葉は「technology 」であったらしい)、ルネッサンス時代の「art」としての特徴が、当時の新しい表現手法である「遠近法」に因るところが大であったりすることからも、見る側としては、新しい作品には、新しい手法を期待したりもする。
フォンタナがキャンバスに穴を開けたり、切り裂いたりする行為は、非日常的存在であるべきはずのキャンバスが、マンネリ化し、日常的存在になりかけていることに対して、再び非日常性を持ち込む行為として、とても象徴的である様に感じられる。一方ブッリは、日常的存在になりかけていたキャンバスに、本質的に日常的存在である布や鉄板を持ち込み逆に非日常性を成り立たせてしまった気がする。
また、アンセルモのように置かれた石に上り、差し伸べられた手と対峙しなければならなかったり、自らの体の一部にスライドの文字を写し出さなければならなかったり等、見る側の参加を要求とする作品群や、バニョーリのように影と実像を見比べなければならない等、見る側の受け止め方にゆだねられる作品もある(もともとartとはこういうものなのでしょうが、、、、)。
そういう意味で、artがインタラクティブ(相互に作用する)な存在なのだということを再認識させられる展覧会でした。
イタリア美術1945-1995 出品リスト
| アルベルト・プッリ | タール | 1949 | |
| 白い彎曲 | 1953 | ||
| 袋と緑 | 1956 | ||
| 木SP | 1958 | ||
| 鉄SP3 | 1958-1959 | ||
| エットーレ・コッラ | オルフェウス | 1956 | |
| ピグマリオン | 1962 | ||
| ファウスト・メロッティ | 均衡 | 1959-1960 | |
| 亡き子供のためのパヴァーヌ | 1960 | ||
| アフリカ | 1966 | ||
| 変化するカノン� | 1967-1973 | ||
| 6月 | 1974 | ||
| シェークスピアによる | 1977 | ||
| ピエロ・マンゾーニ | アクローム | 1959 | |
| 線 | 1959 | ||
| アクローム | 1961 | ||
| 小包 | 1961 | ||
| 小包 | 1961 | ||
| アーティストの排泄物 | 1961 | ||
| アクローム | 1962 | ||
| ルーチョ・フォンタナ | 空間概念 | 1960 | |
| 空間概念 緑色の刻目 | 1962 | ||
| 空間概念 神の終焉 | 1964 | ||
| 空間概念 期待 | 1965 | ||
| ヤニス・クネリス | 無題 | 1960 | |
| 無題 | 1967 | ||
| 無題 | 1969 | ||
| 無題 | 1988 | ||
| フランチェスコ・ロ・サヴィオ | 空間・光 | 1960 | |
| 外側に彎曲した表面を持つ、黒く、不透明な一枚の金属 | 1961 | ||
| 網状フィルター | 1962 | ||
| 太陽の家 | 1962 | ||
| ミケランジェロ・ピスレット | 横顔 | 1962 | |
| ランプ | 1966 | ||
| ぼろぎれのヴィーナス | 1967 | ||
| ピヴェッタ | 1973-1974 | ||
| ジューリオ・パオリーニ | 1/25秒 | 1965 | |
| 模倣 | 1976 | ||
| ネッソス | 1977 | ||
| 「絵画論」のための習作 | 1977-1978 | ||
| アリギエロ・ボエッティ | 円柱 | 1966 | |
| カモフラージュ | 1966 | ||
| 千から千へ | 1975 | ||
| 地図 | 1984 | ||
| 地図 | 1989 | ||
| エンリコ・カステッラーニ | 銀色のトリブティック | 1966 | |
| 白い表面 | 1970 | ||
| ビーノ・パスカーリ | 彫刻の斬首 | 1966 | |
| 海 | 1966 | ||
| 機関銃 | 1966 | ||
| ジルベルト・ゾリオ | 円柱 | 1967 | |
| 自画像 | 1972 | ||
| 星 | 1991 | ||
| ジョヴァンニ・アンセルモ | ねじれ | 1968 | |
| 無題 | 1969 | ||
| 部分 | 1975 | ||
| パノラマとパノラマを指し示す手 | 1982-1984 | ||
| ピエル・パオロ・カルツォラーニ | 私の人生の将来計画としての占星術 | 1968 | |
| 無題 | 1969-1970 | ||
| ルチアーノ・ファブロ | 足 | 1968 | |
| 黄金のイタリア | 1971 | ||
| 衣服かけ | 1977 | ||
| 飛翔 | 1988 | ||
| ジュゼッペ・ペノーネ | 5メートルの木 | 1970 | |
| ドレスのある森の緑 | 1984 | ||
| クリスタルの泉� | 1996 | ||
| マリオ・メルツ | 加速+夢+まぼろし | 1972 | |
| マクキガイ科の貝紫の色で染める | 1980 | ||
| アフリカの画家 | 1984 | ||
| タービン | 1988 | ||
| ミンモ・パラディーノ | 幻惑される | 1978 | |
| コラール | 1995 | ||
| 無題 | 1997 | ||
| エットーレ・スパレッティ | アンフォラ、水盤、壺 | 1982 | |
| 赤い大地 | 1997 | ||
| レーモ・サルヴァドーリ | 起源 | 1982-1983 | |
| 垂直 | 1991 | ||
| 三段階 | 1985 | ||
| エンツォ・クッキ | 古木のある小路 | 1983-1984 | |
| ジーノ・デ・ドミニチス | ウルヴァージとギルガメッシュ | 1987 | |
| 人 | 1994 | ||
| ジャンニ・デッシ | チャンピオン | 1988 | |
| 無題 | 1997 | ||
| ドメニコ・ビアンキ | 無題 | 1991 | |
| 無題 | 1996 | ||
| マルコ・バニョーリ | 空間と時間 | ||
| 天空の門 | 1987 | ||
| 射手の姿のように | |||
| 無題 |



























